刀　銘 豫大洲藩岡本治郎九郎源隆國 文政二年八月吉日

概要

この刀は、大洲藩のお抱え刀匠であった岡本家6代の隆国（1774～1845）が、文政2（1819）年8月に作刀したものです。

刃長71.5㎝、反り1.5㎝、刃文は中直刃（なかすぐは）となっています。

造り込みを終えた刀身に、強度が必要な刃側は薄く、それ以外の部位は厚く焼刃土（やきばつち、粘土や炭を混ぜ調合したもの）を塗り、火で加熱した後、直ちに水に入れ急冷することで、刀身の反りと刃文が生み出されます。

刃文には「乱れ刃」と「直刃（すぐは）」の2種類がありますが、均一に真っすぐな直刃に仕上げるには高度な技術が必要です。

隆国はとくに刃文の技を磨き、互の目（ぐのめ）などの乱れ刃を良くしましたが、ついに直刃の妙味を会得したとされます。

この刀は、ほぼ均一な直刃の出来栄えの作であり、隆国の代表的な名品です。​

写真

 　刀 銘 豫大洲藩岡本治郎九郎源隆國 文政二年八月吉日