本文
名称 | 木造薬師如来坐像(もくぞう やくしにょらい ざぞう) |
---|---|
指定種別 | 市指定 |
種別 | 有形文化財 |
数量 | 1躯 |
指定年月日 | 昭和37年11月3日 |
所有者 | 圓満寺 |
久米地区にある圓満寺は、創建は不明ですが、火災で焼失した後の寛永11(1634)年、秀鏡(しゅうきょう)によって再建された寺院です。
明治期には、廃寺となっていた阿蔵古久米武田の圓城寺(えんじょう じ)と、高山の月光寺(がっこう じ)を併合したため、現在の圓満寺には2躯の薬師如来坐像がまつられています。
火災により宝物などすべてが焼失しましたが、焼失を免れた本坐像は、像高59.5cmで左手に薬壷を捧げ、右手に施せ無む畏印(いいん。右手の5 本の指を伸ばし、手のひらを前にして肩の辺りに上げる印相)を結んだ典型的な薬師如来坐像で、製作年代は鎌倉時代とされています。
桧材(ひのき ざい)の寄木造りで、頭部はややうつむき加減に彫眼(ちょうがん。直接木から目を彫る技法)され、慈愛に満ちた優しい顔つきとなっています。
優美で均衡のとれた様相は、市内でも数少ない優品の一つといえるものです。
木造薬師如来坐像