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みんなに今知ってほしい“プレコンセプションケア”
みんなに今知ってほしい“プレコン”~より豊かで幸せな人生のヘルスケア~
プレコンセプションケアとは?
直訳するとプレ(pre)とは「~の前の」、コンセプション(Conception)とは「おなかの中に新しい命をさずかること」をいいます。プレコンセプションケア(Preconception care)とは、将来のライフプランを考えながら女性やカップルが自分たちの日々の生活や健康に向き合うことです。妊娠・出産を望む人たちだけでなくプレコンセプションケアを実施することで、今の自分がもっと健康になり、より豊かで幸せな人生につながります。
いま、なぜプレコンセプションケアが必要?
1.リスクのある妊娠が増加
若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増加しています。若いうちから健康を意識することで、健やかな妊娠・出産や生まれてくる赤ちゃんの健康につながります。
2.不妊の増加
「生理不順を放置していた」「生理痛をがまんしていた」などが将来の不妊の原因になることがあります。妊娠・出産に関する正しい知識を得て行動し、将来の不妊のリスクを減らしましょう。
3.人生100年時代を生きるために
子どもを持つ・持たないに関わらず、プレコンセプションケアに取り組むことで、より健康で豊かな人生を送ることができます。

出典:国立成育医療研究センター「プレコンセプションケアセンター」
Action1 今の自分を知ろう!
まずは、プレコンセプションケアチェックシートを利用し、現在の自分の状態を振り返りましょう。
自らの健康のためにできることから始めて、1つずつチェック項目を増やしていきましょう。
健康であれば、いつでも妊娠・出産できる?
答えは、NO
卵子は女性が生まれる前から持っていて、年齢とともに数が減り、質も低下します。
じつは、男性の精子も年齢とともに、数が減少し、運動率が低くなることが分かっています。
「将来何人子ども欲しい?」「何歳の時に出産したい?」などについて、自分のキャリアプランと共に、出産・育児のライフプランを考える上で出産年齢についても、考えてみましょう。そのうえで、今妊娠したい・妊娠しても良いと思う人は葉酸摂取をスタート。妊娠を望まない、または今は望まない人は自分に合った避妊法を継続しましょう。
適正体重について知ろう!
栄養不足による若い女性のやせ(BMI 18.5未満)は、貧血や将来の骨粗鬆症の原因になります。一方、栄養過多や太りすぎ(BMI 25以上)は、将来、糖尿病や高血圧などさまざまな病気やリスクを高めます。やせも肥満も、不妊や妊娠・出産のリスクを高めます。男性の肥満も不妊のリスクを高める報告があり、注意が必要です。BMIを計算して、いまの体重を評価してみましょう。
運動習慣をつけよう!
適正な体重の維持に積極的な運動は欠かせません。血流がよくなり、筋肉量が増えることで代謝も高まります。運動はこころの状態にも良い影響を与えます。毎日無理なく続けられる運動を取り入れてみましょう。
大洲市では、愛媛県健康アプリ「kencom」を活用した健康づくりを推進しています。大洲市独自のポイント【大洲市健康づくり応援ポイント】を獲得することが出来ます。
詳細は、下記のリンクをご覧ください。
https://www.city.ozu.ehime.jp/soshiki/kenkou/64579.html
ストレスと上手に付き合おう!
現代社会はストレスが多く、こころの不調を抱えることもあるでしょう。まずは自分がストレスを感じていることに気づくことが大切です。自分なりのストレス解消法を見つけておきましょう。困ったときには、専門の窓口に相談しましょう。
大洲市では、こころの相談窓口を紹介しています。詳細は下記のリンクをご覧ください。
ひとりで悩まず 早めに相談を!! [PDFファイル/148KB]
基礎体温を測って自分のリズムを知ろう!
基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか使っていないときの体温のこと。
起床後寝たままの状態で舌の裏側の付け根に婦人体温計を当てて測定します。
女性のからだはホルモンの影響で、周期的に基礎体温が変化します。正常な基礎体温からは次の月経予定日や妊娠しやすい時期、さらには妊娠の可能性も予測できます。自分のからだのリズムとコンディションを知るために、基礎体温を活用してください。
なお、女性の基礎体温が正常なパターンから外れているときは、ホルモンバランスの乱れや妊娠している可能性があります。基礎体温表をもって婦人科を受診しましょう。
Action2 生活を整えよう!
栄養バランスの良い食事を目指そう!
「食事バランスガイド」で確認すれば、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかが分かります。
コマが立つように主食・副菜・主菜・乳製品・果物の5つのグループをバランスよく食べましょう。栄養不足による若い女性の“やせ”は、貧血・肌荒れ・骨密度の低下などを引き起こします。月経不順や不妊、低出生体重児※1の原因になるなど、将来の妊娠・出産にも影響を与えます。
※1 低出生体重児とは、生まれたときの体重が2,500g未満の赤ちゃんのこと。
「葉酸」って知ってる?
葉酸とは、妊娠前から妊娠初期にかけて必要な栄養素(ビタミン)です。葉酸をしっかりとることで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防につながります。神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管が出来るとき(受胎後およそ28日)に起こる先天異常で、無脳症・二分脊椎・髄膜瘤などがあります。妊娠を知るのは神経管が出来る時期よりも遅いため、妊娠を希望する女性は緑黄色野菜を積極的に摂取し、サプリメントも上手に活用しながらしっかり葉酸を摂取しましょう。サプリメントや食品中に強化される葉酸として1日400μg摂取することが望まれます。
参考:「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」(厚生労働省,2021年3月)
なお、大洲市では包括連携協定を締結している大塚製薬と葉酸摂取の必要性についてのリーフレットを作成しております。ご参照ください。
妊娠前から葉酸を摂りましょう [PDFファイル/990KB]
タバコをやめましょう!
タバコはがん・心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こします。また男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、周産期死亡、低体重を引き起こす可能性があります。赤ちゃんが生まれた後も乳幼児突然死症候群のリスク因子となるなど、その影響はきわめて広範囲です。禁煙外来を活用して、いますぐに禁煙しましょう。
妊娠中は禁酒しましょう!
妊娠中にお酒を飲むと、アルコールは胎盤を通って赤ちゃんにも影響し、胎児性アルコール症候群※2の原因になります。「この量なら大丈夫」というものは確立していません。妊娠を考えたときからアルコールを控えましょう。妊娠中は禁酒をしましょう。
※2 胎児性アルコール症候群とは、妊娠中の飲酒が原因で赤ちゃんにさまざまな症状が現れる病気です。妊娠初期に発症すると、目や鼻などに奇形、妊娠中期では、胎児の発育不全や中枢神経障害がみられると言われています。このほか、発達の遅れ、精神遅滞、多動症などが現れることもあります。
Action3 検査やワクチンを受けよう!
人ごとではない!性感染症のこと
若い人の間で、性的接触を介して誰もが感染する「性感染症」が増えています。感染しても無症状であることが多く、治療に結びつかないケースが多く見られます。知らない間に他の人にうつす可能性があるため、セックスの際はコンドームを使用して、感染を防ぎましょう。
また、性感染症の中には、不妊の原因になったり、妊娠中にかかると赤ちゃんの健康に影響を与えるものがあります。思い当たることがある人は、婦人科・泌尿器科で相談して、しっかり治療をしましょう。パートナー間で感染しあうピンポン感染を防ぐため、カップルは一緒に性感染症のチェックをしましょう。
全国の保健所では無料で性感染症の相談をすることができます。以下のリンクをご覧ください。
http://hiv-kensa-navi.net/ehime/yawatahamahokenjyo.html
風疹抗体価をチェックしよう!
妊娠中にかかると、赤ちゃんに影響を与える恐れのある感染症があります。感染症から完全に身を守ることはできませんが、風疹・麻疹・水痘(みずぼうそう)・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)はワクチンを打つことで予防できます。
ただし、妊娠中は接種できず、妊娠していなくても接種後2か月は避妊が必要となります。母子健康手帳でワクチンの接種歴を確認して、必要であれば妊娠を考える前に接種しましょう。妊娠中、とくに20週までに風疹に感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症し、心臓の病気や白内障、難聴を患うリスクが高まります。
風疹は本人も気づかないうちにかかっていることがあるので、注意が必要です。女性だけでなく、パートナー・家族もワクチン接種して、妊婦さんに感染させない環境づくりが大切です。
1979年4月1日以前に生まれた男性は一度も風疹ワクチンを打っていない可能性があります。まずは抗体価をチェックしましょう。大洲市では、上記対象者に令和9年3月31日まで無料で検査を実施しています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
https://www.pref.ehime.jp/soshiki/48/
健康診断を受けて、生活習慣病を予防しよう!
妊娠前から生活習慣病を抱えている場合、妊娠経過や赤ちゃんに悪影響を与えることがあります。
例えば、妊娠前に血糖の状態を表すHbA1cが高い場合は赤ちゃんの先天異常のリスクが、高血圧がみられる場合は妊娠合併症のリスクが高まります。
毎年健康診断を受けるとともに、肥満や家族に糖尿病や高血圧の人がいる場合は、かかりつけ医に相談しましょう。治療によって病気をコントロールすることで、妊娠経過や赤ちゃんの健康リスクを減らすことができます。
大洲市では、39歳以下の大洲住民はどの保険の方でも受けられる39歳以下健診・40歳以上の国民健康保険の方は特定健診を無料で受けることができます。詳細は以下のリンクをご覧ください。
/uploaded/life/66504_344613_misc.pdf
がん検診を受けよう!
女性は20代から子宮頸がんが増え、30代から乳がんが急増します。2年に1度の子宮頸がん検診と月に1回の乳房セルフチェックを行い、乳がん検診も受けましょう。気になることがあれば、専門医を受診しましょう。このように、「乳房を意識する生活習慣」をブレスト・アウェアネスといいます。
このほか、乳がんや卵巣がんの家族歴(祖母・母・姉妹)がある場合も、専門医に受診しましょう。
男女ともに、40歳からは肺・大腸・胃がんの検診も受けましょう。
大洲市では、各種がん検診をワンコイン(500円)で受けることができます。乳がん検診は、20~39歳の女性は乳腺エコー検査、40歳以上の女性はマンモグラフィ検査を実施しております。なお、子宮頸がん検診は産婦人科で個別検診も実施しております。詳細は以下のリンクをご覧ください。
/uploaded/life/66504_344613_misc.pdf
月に1回の乳房のセルフケアチェックをしましょう。お風呂やシャワーのとき、石けんがついた手で触れると乳房の凹凸がよくわかります。
Action4 かかりつけ医を持とう!
婦人科のかかりつけ医を見つけよう!
女性にとってかかりつけ婦人科医は、あなたのライフプランを尊重し、適切なケアを提供してくれるパートナーです。特に現代の女性は妊娠・出産の回数が減ったことで月経回数が増え、月経に関する症状で日常生活に支障をきたす人が増えています。子宮内膜症※3を発症する人も多く、なかにはひどい月経痛や不妊に至ることもあります。我慢できない痛みがある人は、気軽に相談してみましょう。
※3子宮内膜症とは、本来は子宮の内側を覆う子宮内膜が、子宮の内側以外(卵巣・骨盤腔など)に出来てしまう病気です。周囲の組織と癒着を起こしてさまざまな痛みを引き起こし、不妊の原因となることがあります。
月経について気になることを相談してみよう!
月経が正常に来ていることは、あなたの体が健康な証です。月経について次の6項目を確認して、あなたの体をチェックしましょう。気になることがあれば、かかりつけ婦人科医へ相談しましょう。
確実な避妊方法を相談しよう!
妊娠を考えていない人は確実な避妊方法を選びましょう。避妊の失敗率は、コンドーム2~18%、経口避妊薬0.3~9%、子宮黄体ホルモン放出システム(ミレーナ®など)0.2%と言われています。自分に合った避妊法について、かかりつけ婦人科医に相談してみましょう。
Action5 人生をデザインしてみよう!
妊娠・出産・育児・介護・転職など、人生にはたくさんの転機があり、そのたびに喜びや悲しみなどさまざまな感情を抱くもの。あなたの「理想の人生グラフ」を描いてみてください。そして、それを実現するために必要なことを考えてみましょう。
人生100年時代。自分の100歳までの人生をデザインしてみましょう。
大洲市のプレコンキャラクターご紹介

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