○大洲市中小企業者・小規模事業者振興基本条例

平成30年3月16日

大洲市条例第3号

大洲市内にある事業所の多くは、中小事業者であり、それぞれの業種において市の経済を支え、まちづくり、雇用の確保、災害時の助け合い等、市民生活の向上と地域産業の発展に大きく貢献してきた。

しかしながら、これらの中小事業者を取り巻く環境は、年々厳しさを増しており、中小事業者が将来にわたって活力を維持するとともに、持続的な発展を続けるためには、事業者自身が地域と共生する存在であることを認識し、地域社会から信頼を得て、市内の多様な主体と連携・協働して、相互に責任と役割を果たすことが大切である。

このため、人々が誇りを持ち、生きがいを感じて働ける環境を創り、地域の将来を担う子供たちの夢と希望を育むことができるよう、地域社会が一体となって中小事業者の振興に取り組むことを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、市の中小事業者の振興に関する施策(以下「振興施策」という。)について、基本理念及び基本方針を定めるとともに、事業主体、関係機関等の役割を明確にすることにより、振興施策を総合的に推進し、もって地域経済の健全な発展及び市民生活の向上を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定する中小企業者で、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(2) 小規模事業者 商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(平成5年法律第51号)第2条に規定する小規模事業者で、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 中小事業者 中小企業者及び小規模事業者をいう。

(4) 大企業者 中小事業者以外の事業を営むものをいう。

(5) 事業者 中小事業者及び大企業者をいう。

(6) 商工団体等 商工会議所、商工会その他中小企業等を支援する機関及び団体をいう。

(7) 学校 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)及び同法第124条に規定する専修学校をいう。

(8) 金融機関 銀行、信用金庫その他の金融の業務を行う事業者で、市内に本店又は支店を有するもの及び信用保証協会をいう。

(基本理念)

第3条 市は、次に掲げる基本理念に基づき、中小事業者の振興施策を推進するものとする。

(1) 地域経済をけん引できる、競争力が高く足腰の強い事業体の育成を目指し、地域経済を活性化すること。

(2) 国、県、事業者、商工団体等、学校、金融機関及び市民と連携及び協働する体制を構築すること。

(3) 中小事業者の事業活動の維持、発展及び新たな産業の創出を促進すること。

(4) 中小事業者の主体的な努力及び創意工夫による取組を尊重すること。

(5) 中小事業者が地域社会と共生し続けることができるよう、市民の理解及び協力を求めること。

(6) 中小事業者の特性に着目し、実情に応じた的確かつ個別の支援を行うこと。

(基本方針)

第4条 市は、前条の基本理念に基づき、振興施策の基本方針を次のとおり定めるものとする。

(1) 経営基盤の強化による事業活動の維持及び持続的な発展を促進する。

(2) 創業及び新事業の展開並びに事業承継を促進する。

(3) 事業活動に必要な多様な人材を育成し、個人を活かす労働環境の整備を促進する。

(4) 事業活動に必要な労働力の確保及び定着を促進する。

(5) 市内の商工団体等及び市民と連携を強化するとともに、協働を促進する。

(6) 市内の生産者、同業及び異業種間の連携拡充など、地域のあらゆる資源を結び有効活用する体制を整えることにより、地域内の経済循環を促進する。

(市の役割)

第5条 市は、前条の基本方針を総合的かつ計画的に推進するため、振興施策の実施に関して必要な調査、研究及び予算等の必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、施策を実施するに当たっては、商工団体等及び市民と協働し、効果的に実施するよう努めるものとする。

3 市は、工事の発注、物品及び役務の調達等において、公正かつ適正な予算の執行に留意するとともに、市内の中小事業者の受注機会の増大に努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 中小事業者は、地域社会を構成する一員として、社会的な役割に配慮しながら、地域における社会貢献活動及び地域活性化のための事業へ積極的に協力し、地域における課題の解決及び信頼関係の構築に努めるものとする。

2 中小事業者は、地域人材の育成、雇用の促進及び仕事と生活の調和した労働環境の充実に努めるものとする。

3 中小事業者は、地域の将来を担う人材の育成及び定着を促進するため、学校と連携した体験学習の充実及び事業活動に対する市民の理解が深められるように努めるものとする。

4 中小事業者は、市内において生産され、製造され、又は加工される産品及び市内で提供される商業サービスを利用するよう努めるものとする。

5 中小事業者は、地域の商工団体等に加入するよう努めるとともに、市が行う振興施策及び商工団体等が行う中小事業者振興のための事業(以下「振興事業」という。)を積極的に活用するものとする。

6 大企業者は、中小事業者が地域の経済及び市民生活を支える重要な社会資本であり、地域の発展に欠くことのできない存在であることに配慮して、共に地域社会に貢献するよう努めるものとする。

(商工団体等の役割)

第7条 商工団体等は、中小事業者の創意工夫による主体的な活動を助長するとともに、独自の取組による事業活動の活性化を支援するものとする。

2 商工団体等は、中小事業者の事業活動を支え、活性化させる環境づくりに資する調査、研究及び振興事業に努めるとともに、市が行う振興施策に協力するものとする。

(学校の役割)

第8条 学校は、中小事業者の事業活動が市の発展に果たす役割等について、児童、生徒及び学生が理解を深めることができるよう努めるものとする。

2 学校は、中小事業者と協働して、職業に関する理解及び体験の機会を提供し、児童、生徒及び学生の勤労観及び職業観の形成並びに地域の将来を担う人材の育成に努めるものとする。

(金融機関の協力)

第9条 金融機関は、中小事業者が経営の革新及び経営基盤の強化に取り組むことができるよう、円滑な資金の供給を始め経営相談等を通じて支援を行うことにより、中小事業者の経営安定及び成長発展に協力するよう努めるものとする。

(市民の協力)

第10条 市民は、中小事業者が地域産業の基盤を支え、経済の維持及び発展に不可欠な役割を担っていることを深く理解し、市が実施する振興施策及び商工団体等が実施する振興事業に関心を持ち、一体的な施策の推進に協力するよう努めるものとする。

2 市民は、市内において生産され、製造され、又は加工される産品及び市内で提供される各種のサービスを利用するよう努めるものとする。

3 市民は、地域社会と共生する中小事業者の視点に立って、その経営及び社会貢献に関心を持つよう努めるものとする。

(会議)

第11条 市は、中小事業者の振興のために必要と認めるときは、市、事業者、商工団体等、学識経験者、金融機関その他の多様な構成員による会議を設置することができる。

(委任)

第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

大洲市中小企業者・小規模事業者振興基本条例

平成30年3月16日 条例第3号

(平成30年3月16日施行)