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愛媛県の北部を、ほぼ東西に走る中央構造線の南側には、三波川変成帯(さんばがわへんせいたい)と呼ばれる構造帯があり、三波川変成帯に分布している緑色・青緑色系の岩石を「伊予の青石」と呼んでいます。
伊予の青石は、愛媛県の代表的な自然石で、昔から石碑や庭石、石垣などに広く利用されていて、大洲城の石垣にも使用されています。色の濃淡や褶曲模様、白色の曹長石や石英脈があるものなど、表面が変化に富んでいるものが珍重されてきました。
西条市の加茂川水系や周桑郡の中山川水系では、河川や山中の表層に転石として散在していて、過去には河川から採石されていましたが、現在は自然環境保護や防災の観点から、河川敷の石を採ることは全面的に禁止されています。
大洲には山から採石を行っている事業者があり、そこで青石が採石されています。
河川敷からの採石が禁止されてからは、大洲で採れる青石の需要が高くなっています。
青石は、表面の模様だけでなく、磨くと現れる独特の色合いと美しい輝きも大きな特徴です。大洲市ではこの青石を貴重な地域資源ととらえ、公共施設を整備する際の資材や記念碑などに積極的に利用していて、これからも更なる活用に向けて取り組みを進めていく予定です。