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名称 | 絹本墨画騎獅文殊図(けんぽん ぼくが きし もんじゅ ず) |
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指定種別 | 県指定 |
種別 | 有形文化財(絵画) |
数量 | 1幅 |
指定年月日 | 昭和40年4月2日 |
所在地 | 大洲市中村618の1(大洲市立博物館内) |
所有者 | 大洲市 |
この絵画は、縦62cm、横35cmの絹地に描かれた水墨画です。
地に伏した獅子の上に、足を組み膝を手で抱えて座る文殊菩薩が描かれています。
種々の華麗な装身具を身に着ける姿が多い文殊菩薩ですが、この作品のような、垂髪(すいはつ、結い上げずに垂らした髪)に法衣(ほうえ、僧侶などが身に着ける衣服)といった簡略的な姿は、鎌倉時代以降の禅宗の寺院で崇拝され、盛んに描かれた姿です。
作画年代や作者は不明ですが、作品の上部には、室町時代の禅僧で伊予にもゆかりのある月庵宗光(げったん そうこう、1326~1389年)の賛文(作品に書き加えられた賛辞)が添えられているため、南北朝時代初期の作品と考えられています。
高僧であった月庵が賛を記している点からみて、名のある画僧によって描かれたと考えられます。
大変貴重な作品であることから、愛媛県の有形文化財に指定されています。
絹本墨画騎獅文殊図